第174回 やまじの森 自然観察会報告
日 時:2025年9月20日(土)
天 候:雨
テーマ:秋の野草
参加者:11名
コース:ヤマモモ広場(駐車場)→ヤマモモコース→サルナシ湿地→ホオノキ平→カワセミコース→林道→ヤマモモ広場
連日の猛暑もここ数日で和らぎ、秋の気配を感じる涼しさとなった。しかし当日は、あいにくの雨模様の中での観察会となった。
ヤマモモ広場からヤマモモコースへと進み、秋の野草を求めてスタート。雨に濡れたナキリスゲやヒメジソをかき分けて歩き出したところ、足元に一面にハイチゴザサが広がっていた。Gさんが事前に撮影していたハイチゴザサの拡大写真を見て、小さな花を確認した。
アブラガヤやススキを脇に見ながら進み、昨年確認したリンドウを探したが見つからなかった。さらに小川方面へ下り、下見時に見かけたタマゴタケを探したが姿はなく、その近くで新たに3個のタマゴタケが並んで傘を広げていた。下見の際には、転がった朽木にキノコが生えており、それを動かすとサワガニが姿を見せたこともあった。
また、サルナシ湿地では初めてヒメタイコウチを確認。さらに、これまでほとんど見られなかったハンミョウや、クロコノマチョウの蛹も1個見つけることができた。雨の湿地で再びヒメタイコウチを観察しようと入ったところ、マムシに遭遇し、即座に退散する場面もあった。
下見時にはヒメウラナミジャノメ、ツマグロオオヨコバイ、ホタルガ、ミノムシなどを確認している。ホオノキ平脇では昨年見られたツルリンドウやシラヤマギクの花は確認できなかった。カワセミコースに入ると、ハイイロチョッキリに落とされたドングリが転がっていた。かつてこのコースにあったアキチョウジは、イノシシの掘り起こしやシカの食害により姿を消してしまった。そうした思いを抱きながら歩いていると、「ここにも、あそこにも」と歓声が上がり、雨に濡れて輝くさまざまな姿のタマゴタケに出会うことができた。
林道に出ると、クサギは花が終わりブルーの実を付け始めていた。ヤマモモ広場近くではツルアリドオシの赤い実やシロダモの実を観察。雨も止んでいたため早めに昼食をとり、観察会を終了した。
【 観察したもの 】
草の花
ナキリスゲ、ヒメジソ、ハイチゴザサ、チヂミザサ、アブラガヤ、ガンクビソウ、サジガンクビソウ、ハシカグサ、イヌコウジュ、ミズヒキ、マツカゼソウ、キンミズヒキ、イトイヌノヒゲ など
草の実
ツルアリドオシ、スルガテンナンショウ
樹の花
クサギ、コウヤボウキ(蕾)
樹の実
シロモジ、シロダモ、ヤブツバキ、クサギ、ミヤマガマズミ、コナラ、アオツヅラフジ
キノコ
タマゴタケ、カイメンタケ、ヒメカバイロタケ、イグチの仲間
虫
ハンミョウ、ホタルガ、クロコノマチョウ蛹、ヒメウラナミジャノメ、ツマグロオオヨコバイ、シロモンノメイガ、コバネイナゴ、ヒメアカネ、ミノムシ(チャミノガ)
鳥の声
メジロ、ヒヨドリ、ウグイス、ソウシチョウ
その他
マムシ、カナヘビ、ジョロウグモ、ヒノキバヤドリギ
前回「第174回 やまじの森 自然観察会報告」(2025年8月)はこちら
投稿者プロフィール

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猿投の森づくりの会は、公益社団法人 日本山岳会 東海支部内のグループです。愛知県瀬戸市と豊田市にまたがる猿投山の北西麓の森で、森の保全や有効利用を目的に活動しています。
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